中村俊輔は必要か?
■ ミラノでの終焉
CLの決勝トーナメント一回戦。ミラノでのACミラン戦の後半、MFカカのドリブルシュートが決まったとき、セルティックと中村俊輔の冒険は、幕を閉じた。
強豪チームがそろうCLというステージにおいて、セルティックは、「中村俊輔の左足」という武器しか持っていなかった。そして、その武器を生かす術がなかった。リアリスティックに戦ってベスト16入りを果たしたものの、セルティックらしいショートパス主体の細やかなサッカーは、ついに、今CLで見られることはなかった。
とはいっても、ベスト16入りが快挙であることに変わりはない。規定のため、今シーズンのCLには出場できなかったが、ハーツの主力選手であるプレスリーやハートリーらを獲得し、着々と戦力強化を進めるセルティックの本当の勝負は、来シーズンのはずである。
■ カカとの差
カカの決勝ゴールは圧巻だった。プレースタイルの差があるとはいえ、試合前から注目されていた中村とカカの対決は、カカの完勝に終わった。1人で勝負を決められる怖さをもつか持たないかの違いは、ステージが大きくなればなるほど、如実に表れる。
試合後に、「カカのような選手にならないといけない。」というニュアンスの言葉を発した中村俊輔。その向上心がある限り、俊輔のもつ可能性は閉じることはない。
■ ペルー戦が目前
さて、3月24日に横浜でのペルー戦が行われる。オシムジャパンの今シーズンの初戦である。
報道によると、この試合は、欧州組の参戦が濃厚となっており、特に、フランクフルトの高原とセルティックの中村俊輔の招集が有力視されている。残留争いをする高原には、まだまだ大きな仕事が残っているが、CLを終えて、リーグ戦の優勝もほぼ決まりという状態の中村にとっては、特に何も障害はなく、代表に合流することができる。
■ 背番号10の価値を・・・
ジーコジャパンでの4年間は、中村俊輔には、10番の座が約束されていた。レッジーナでポジションを失った時期も、コンディションが悪い時期も、故障を抱えている時期も、全ての試合で、ジーコ監督は中村俊輔に託した。
その絶大な信頼を受けて、中村俊輔も、日の丸の背番号10にふさわしいパフォーマンスを見せた。1つの大会を除けば・・・。
それからまもなく、イビチャ・オシムが日本代表監督に就任した。
ジーコの仕事には、”中村と中田と小野と稲本を同時に起用すること”という制約があったが、オシムの仕事は、”個々の選手を組み合わせて最強のチームを作ること”、それだけである。
当たり前のことだが、セルティックの中村俊輔といえども、代表では、ポジションが約束されてはいない。CLやW杯のレベルでも、個の力で局面を打開できる、ロナウジーニョやカカ、トッティやジダンのようなスーパータレントがいない日本では、誰一人として、安泰ではない。
「ファンタジスタを排除している」という誤った批判を受けることもあるオシム監督だが、ユーゴスラビア代表時代のドラガン・ストイコビッチ、シュトルム・グラーツ時代のイヴィツァ・ヴァスティッチ、ジェフ千葉時代のマリオ・ハースと、どのチームでも、核となったのは高いテクニックと判断力を備えた、ファンタジスタ系の選手である。
ただし、ファンタジスタ系の選手が座ることのできる椅子は、フィールド上に、1つもしくは2つしか用意されていない。
オシムは本物のプロ監督である。興味の対象は、テレビの視聴率ではなくて、より強く、より美しいチームを作ること。中村俊輔ではなく、中村憲剛や遠藤保仁を起用したほうが、チームがスムーズに回ると判断したならば、中村俊輔を外すことに躊躇しないだろう。
横浜でのペルー戦。今後も代表に生き残るつもりならば、中村俊輔は、自身のもつ価値を、オシムに認めさせて、レギュラーポジションを獲得しなければならない。一見、不条理のように思えるが、このような競争が行われるのはごく当たり前のことである。もう、オートマティックに代表のレギュラーが決まる時代は終わったのだ。
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CLの決勝トーナメント一回戦。ミラノでのACミラン戦の後半、MFカカのドリブルシュートが決まったとき、セルティックと中村俊輔の冒険は、幕を閉じた。
強豪チームがそろうCLというステージにおいて、セルティックは、「中村俊輔の左足」という武器しか持っていなかった。そして、その武器を生かす術がなかった。リアリスティックに戦ってベスト16入りを果たしたものの、セルティックらしいショートパス主体の細やかなサッカーは、ついに、今CLで見られることはなかった。
とはいっても、ベスト16入りが快挙であることに変わりはない。規定のため、今シーズンのCLには出場できなかったが、ハーツの主力選手であるプレスリーやハートリーらを獲得し、着々と戦力強化を進めるセルティックの本当の勝負は、来シーズンのはずである。
■ カカとの差
カカの決勝ゴールは圧巻だった。プレースタイルの差があるとはいえ、試合前から注目されていた中村とカカの対決は、カカの完勝に終わった。1人で勝負を決められる怖さをもつか持たないかの違いは、ステージが大きくなればなるほど、如実に表れる。
試合後に、「カカのような選手にならないといけない。」というニュアンスの言葉を発した中村俊輔。その向上心がある限り、俊輔のもつ可能性は閉じることはない。
■ ペルー戦が目前
さて、3月24日に横浜でのペルー戦が行われる。オシムジャパンの今シーズンの初戦である。
報道によると、この試合は、欧州組の参戦が濃厚となっており、特に、フランクフルトの高原とセルティックの中村俊輔の招集が有力視されている。残留争いをする高原には、まだまだ大きな仕事が残っているが、CLを終えて、リーグ戦の優勝もほぼ決まりという状態の中村にとっては、特に何も障害はなく、代表に合流することができる。
■ 背番号10の価値を・・・
ジーコジャパンでの4年間は、中村俊輔には、10番の座が約束されていた。レッジーナでポジションを失った時期も、コンディションが悪い時期も、故障を抱えている時期も、全ての試合で、ジーコ監督は中村俊輔に託した。
その絶大な信頼を受けて、中村俊輔も、日の丸の背番号10にふさわしいパフォーマンスを見せた。1つの大会を除けば・・・。
それからまもなく、イビチャ・オシムが日本代表監督に就任した。
ジーコの仕事には、”中村と中田と小野と稲本を同時に起用すること”という制約があったが、オシムの仕事は、”個々の選手を組み合わせて最強のチームを作ること”、それだけである。
当たり前のことだが、セルティックの中村俊輔といえども、代表では、ポジションが約束されてはいない。CLやW杯のレベルでも、個の力で局面を打開できる、ロナウジーニョやカカ、トッティやジダンのようなスーパータレントがいない日本では、誰一人として、安泰ではない。
「ファンタジスタを排除している」という誤った批判を受けることもあるオシム監督だが、ユーゴスラビア代表時代のドラガン・ストイコビッチ、シュトルム・グラーツ時代のイヴィツァ・ヴァスティッチ、ジェフ千葉時代のマリオ・ハースと、どのチームでも、核となったのは高いテクニックと判断力を備えた、ファンタジスタ系の選手である。
ただし、ファンタジスタ系の選手が座ることのできる椅子は、フィールド上に、1つもしくは2つしか用意されていない。
オシムは本物のプロ監督である。興味の対象は、テレビの視聴率ではなくて、より強く、より美しいチームを作ること。中村俊輔ではなく、中村憲剛や遠藤保仁を起用したほうが、チームがスムーズに回ると判断したならば、中村俊輔を外すことに躊躇しないだろう。
横浜でのペルー戦。今後も代表に生き残るつもりならば、中村俊輔は、自身のもつ価値を、オシムに認めさせて、レギュラーポジションを獲得しなければならない。一見、不条理のように思えるが、このような競争が行われるのはごく当たり前のことである。もう、オートマティックに代表のレギュラーが決まる時代は終わったのだ。
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